経理は専門性が高く、その他の事務と比べて給与が高いとよく言われているけど本当なの?年収にすると一体いくらぐらいになるの?などなど経理の給料事情について詳しく知りたい方も多いのではないでしょうか?
今回は、経理職がなぜ人気でなのかを給与面を中心にご紹介するとともに、どうすれば年収アップを実現できるのか?についても見ていきます。これから経理を目指す未経験者も、年収アップしたい現職経理担当者の方々も、ぜひチェックしてみてくださいね!
まずは、なぜ経理職が事務職で人気職といわれるのか、倍率はどうなのかを見てみましょう。
目次
1.経理職が人気な理由
(1)経理職は転職がし易く、つぶしがきく
経理職は一般事務などほかの事務所と比べても非常に転職がしやすい職種です。
というのも、世の中に売ったり買ったりする営業活動が存在する限り、経理という仕事はなくならないからです。そして、企業選びの軸が、職種で考えているのであれば、経理という職種はどんな企業にもある職種のため、業種の制限がほぼなくなります。
このことから経理職はどんな企業にとっても必要な部署であり、各業種の様々な会社が選択肢になるということです。それゆえに経理担当として経験を積むと、その後にもっと条件の良い他の会社を見つけて転職することが他の業種(主に他の事務職)と比べてやりやすくなっていると言えるでしょう。また、厚生労働省の「一般職業紹介状況(令和2年7月分)について」を見てみると、事務職全体で0.33倍、中でも一般事務職は0.26倍となっています。 有効求人倍率とは、求職者1人あたりにつき何件の求人があるのかを示す指標なので、有効求人倍率が1倍を下回ると「求人数に対して求職者数が多い=人気の職種」となります。
経理の仕事も有効求人倍率が0.57倍であるにも関わらず、現在経理不足に悩む企業が増えているという現象が起きています。その背景として経理という職種は、近年、加速しているグローバル化に際してのIFRS(国際会計基準)導入のための業務が増加していることやデジタル化にともなう会計システムの入れ替え等といった通常の経理業務に加えてその他の業務が増加しているため、人材不足の傾向が強くなっていることが挙げられます。
さらに、2023年上半期の経理の求人動向としても、コロナ禍を背景に採用を控えていた業界が経理・財務・管理会計など会計領域の人員強化し、企業が経営戦略を先に進めようと積極的な採用が行われている状況です。
(2)経理職はワークライフバランスがとりやすい
経理の仕事は、日々お金の計算をしているし忙しそう…というイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。たしかに、経理業務には忙しい時期もありますが、「日次・月次・年次のスケジュールがある程度決まっている」という特徴があります。
そのため、事前に業務量を把握し、スケジュール組み立てておけば、自分の采配でお仕事を進められる可能性も高くなってきます。仕事の繁忙期と閑散期がはっきり分かれているため、スケジュールの見通しを立てやすいのが経理職です。
このように経理の仕事は、メリハリをつけて働きたい方にはピッタリのお仕事と言えます。また、育児や介護もある方もいらっしゃると思いますが、会社によっては在宅勤務がある場合もあります。定年後も比較的高い時給やで働ける求人も一般事務に比べ多数あるので、働き方を見ても人気の職種と言えるでしょう。
2.事務職と経理職の給与水準
(1)事務系職種の中で給与が高い
dodaの「平均年収ランキング(職種別の平均年収/生涯賃金)」(2019年9月~2020年8月)によると同じ事務職ですが、経理の全世代平均年収は509万円となります。一方、他の事務系の職種の全世代平均年収を、みると医療事務は300万円、営業事務は330万円、一般事務は331万円、貿易事務は380万円となっており、経理職と比べて年収に大きな差があります。
このような差が生まれる理由としては、一般事務職のように、基本的にルーティン業務だけを担当する(毎日同じ業務を繰り返す)ために専門性を問われず、給与も低く設定されることが一般的です。経理の仕事は簿記や財務などに関する高度の知識が必要なことに加えて、その知識を実践的にビジネスに合わせて使いこなしていかなければなりません。
このように、ただ高度な知識があればいいという分けてなく、柔軟性も求められるような専門的な職種であることから一般事務職よりも給与が高い傾向にあります。
(2)年齢別の経理平均年収
今後のキャリア形成において年齢別に年収はどのように変わるのかも大切です。経理の場合、平均的にどの年代でどれくらいの収入が得られるのかを確認しましょう。
平均年収(※日経転職版参照)を年代別に見ると下記の平均年収となってます。
・20代:431.5万円
・30代:605.5万円
・40代:701.4万円
・50代:851.8万円
・60代:888.9万円
年代にしたがって昇給していることがわかります。このように経験を重ねることによって、年収も上がっていけるようなキャリアパスがしっかりしている職種であることがわかりますね。
最高年収となった60代は、一般的には定年退職を迎える年齢ですが、近年は定年延長や再雇用を実施する企業が増えていますが、経験を生かして専門性の高い仕事に就くなど、多様な働き方が増えた結果、高年収となったように推測できます。
(3)年代別の経理の仕事
先ほどは、年代別のお給料を見ていましだが、次は年代別に任される会計業務の目安についてみていきます。お給料と任される仕事内容がどのレベルなのかを確認することは、今後のキャリアアップの指針ともなるので、現在の自分の仕事と比較して見てください。今の会社では年代に合った経験が積めずにキャリアを伸ばせないのであれば転職を考えるタイミングともいえるでしょう。
まず、20代は先輩や上司の補助をしながら、経理業務の基礎から単体決算、または連結決算の流れを年間で把握していきます。
30代になると決算のリーダーになる、管理会計や税務などを経験する人も増えてきます。このように業務の幅を広げていく年代といえます。昇進が早い人は、管理職への登用や会社によっては海外赴任へのチャンスがある場合もあるかもしれません。
40代は、企業のお金の動きの全体像を把握しているベテラン社員として、決算の報告書作成など、経営サイドよりの責任ある仕事を任される立場になっていくことが多いです。この年代からは、役職に就いているかどうかによって年収がかなり変動していきます。
50代では、管理職として経理部門を総括する立場となります。経営層に企業の財務状況について説明するようになり経営的な見方も備わっていき、執行役員や取締役、監査役など経営サイドへのキャリアアップの可能性もあります。
このように年代別に求められることやスキルアップの道があるので自分の仕事はどの段階なのかチェックしてみてくださいね!
3.年収上げ方
経理で年収を上げるには、以下の3つを実践すると良いでしょう。
①資格を取って経理知識アップする
②Excel技術を磨く
③決算実務を経験する
(1)資格取得
経理に関する資格取得して専門知識を得ましょう。経理で年収を上げるためには、経理の専門的知識を保有することは必ず必要ですし、そのためには資格取得の勉強が効果的といえます。
特に簿記試験や税理士試験の科目合格などは、知識や勉強してきたことが良くわかる資格なのでおすすめの資格です。
(2)Excel技術の習得
経理の仕事はExcelを使用する機会が本当に多いです。なので、経理として能力が高い人は、揃ってExcelが得意です。Excelを使いこなして、経理業務を効率化した実績を作ることで評価されます。
Excelが苦手な人は、書店などでExcelのテキストを買って自宅のパソコンでやってみ、るだけでも効果は全然違います。仕事の合間を縫ってっとり早く、Excelスキルを身につけてくださいね。
(3)決算実務を経験する
経理職の経験での区切りとして良く判断されるのは決算経験です。月次の決算、年次決算などの経験があれば、ある程度の業務がこなせる経験を積んできたとみなされます。
そして、一般の会社において決算実務の経験がある人は重宝される傾向が強いです。そのため、転職市場においても決算実務の経験者の評価はやはり高くなっており、さらにこれらの理由から年収が上がりやすい傾向にあると言えます。
最後に、なぜ年収が上がらないか?を考えているのでしたら、まずは自分の現在の状況を確認しましょう。
多くの場合は下記の理由が考えられます。
•業界の給与自体が低水準
•会社の業績が悪くなっている
•年功序列制度が色濃く、経験が中々積めない
•在籍者の年齢層が高いためポジションに空きがない
•業務が固定化されている
•そもそも経理部門が社内的に評価されない(※管理部門より、営業部門が優先されているなど)
このような状態であれば、年収アップすることは難しくなってきます。上記を改善できるのか、はたまた改善が難しいのが明白なので環境を変えるために転職するのか、一度考えてみてくださいね!