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海外在住者の日商簿記3級挑戦記

2024/02/04

資格情報

海外在住者の日商簿記3級挑戦記

2024年1月初頭、初めての日商簿記3級ネット試験を横浜で受けてきました。

今回、日商簿記試験に挑んだ経緯、勉強方法、試験内容、試験会場で感じたこと等をご紹介させて頂きたいと思います。

私は海外在住のため、市販の参考書を容易に購入すること、また学校へ通うことはできません。そこで『cpa learning 』というオンライン学習法に出会いました。無料で講義が聞けて、なおかつテキスト、問題集も無料でダウンロードできるサイトです。

長い社会経験の中で、今まで日商簿記試験、会計・経理といった仕事には全く興味がありませんでした。ではなぜそんな海外在住の私が突然、簿記試験に目覚めたかと申しますと、日本に住む家族から、「商売を始めるから確定申告を手伝ってくれないか」という誘いから始まりました。

全く無知だった私は、仕訳とは?勘定科目って何?と調べていく中で、素人なりに経理の面白さを体験してしまいました。そして世間でよく聞く日商簿記の資格に興味を持ち始めたのです。ただここで問題なのが、日商簿記試験の日程です。容易に試験のために日本へ帰国はできません。ですが、ほぼ四六時中、広範囲の場所でネット試験が受けられるということを知り、俄然やる気がでました。2023年末から2024年始め、日本帰国が決まっておりましたので、その時にネット試験へ挑戦してみようと決めました。

一発合格への道のり

さて、目標設定ができました。しかし年末年始を挟んだ2週間の日本滞在。チャンスは1回のみ。もし今回の試験に落ちれば、次いつ受けられるか分かりません。その間、日商簿記試験へのモチベーションを維持し続ける自信は私にはないと思いました。やるしかない。

本気で学習を始めたのは2023年8月下旬ぐらいからでした。無料でダウンロードしたテキストは序章から始まり、第16章までありました。基本的な取引の流れ、勘定科目、商品の売買、固定資産に関した取引等テキストの前半部分は難なく理解することができました。そして各章ごとに簡単な問題を解いて理解を深める、並びにテキストと一緒に入手した問題集も解いていきました。

試験準備と実践

「日商簿記3級、結構余裕じゃないか?」と鷹をくくり始めた矢先、帳簿と伝票、決算へとテキストは進みます。ここから少し学習するペースが落ち始めました。

理解できないのです。それでもなんども講義を聞き直し、とにかく何度も問題を解きました。この辺りから、別の色々なサイトから無料で頂ける問題を拝借し、とにかく問題を解いて理解するという学習方法を取り入れました。すると次第に理解が深まり、賃借対照表と損益計算書、精算表の作成を難なく作成できるようになりました。とにかく何度も繰り返し繰り返し問題を解きました。

11月辺りからふと、試験は時間内に終わらせなければならない、ということに気づきました。ネット試験の時間は60分。果たしてその時間内で難なく問題が解けるのかと不安になり始めました。なぜならこれまで全く時間配分を気にしたことがありませんでしたから。そこで、ここでもまた力強いサイトを発見しました。

『日商簿記2級・3級ネット試験無料体験プログラム』ネット試験をそのまま体験できるプログラムです。ここでいざ試験を受けてみますと、「あれ?時間が足らない。」ということを認識してしまいました。それからは、時間とにらめっこをしながら問題を解くことにしました。また、日商簿記3級を受けるに当たっての試験のコツ等をyoutubeにて確認し、そのアドバイス通り、私はいつも試験を解く際、『第1問』 →『 第3問』 → 『第2問』と進めていくようにしました。

そして時間配分を意識しました。時間配分を意識するようになり、どうしたら少しでも無駄な時間を削れるのかと考えたとき、電卓を上手に操り、早打ちができれば時間稼ぎができるということを知りました。12月初頭から電卓打ちの猛特訓が始まりました。夜な夜な電卓をカタカタ打っていると家族から批判の目を向けられましたが、電卓早打ち、これもまた楽しめた学習法でした。

試験当日とその結果

さて試験まで1か月を切りましたが、問題を解くたびに、「これはいける!」と自信が持てる時もあれば、「まだ全然ダメじゃん」と落ち込むことの繰り返しでした。そんな中で日本帰国の準備、また子供たちの学期末ということで、学校の手伝いと日々忙しさが増し、隙間時間で電卓をカタカタ打つことぐらいしかできなくなりました。

それからあっという間に、日本到着から試験まで1週間半、ほとんど見直し復習ができませんでした。それでも試験前日の晩は仕訳問題を100問程度解き直し、気持ちを落ち着かせました。

試験当日の予約は10時30分でした。当日は30分前から受付開始ということでしたので、9時50分頃試験会場へ到着しました。すると何人かの受験生もドアの前で待ち始めました。

受験しにきていた受験生達はもちろん年齢層は幅広く、日商簿記試験以外にも色々な試験を受け付けている会場であったため、私が受付をしている間にも沢山の受験生達が受付待ちをしておりました。受付を終え、電卓、ポケットティッシュ(袋から出す)、渡された受付カードとA4白紙2枚、ボールペンを持って受験する教室へ入りました。

幸い、私は一番奥端の席だったため、人の出入り等気にすることなく、試験を落ち着いて受けることができました。またヘッドフォンも用意されていたので使用させて頂きました。それでも私の後ろの受験生の電卓及びキーボードを打つ音が気になってしまいました。また試験中、試験管の見回りが数回ありました。

第1問の仕訳問題はあまり時間をかけず、容易に解けたなと感じました。

続いて第3問へ入り、決算整理後残高試算表の作成だったかと記憶しております。11問程、決算整理事項がありました。その中で、今まで解いてきた問題になかった視点からの問題があり、その問題をどうしても解くことができませんでした。それでも計算した箇所はとにかく埋めて点稼ぎをしよう、と焦りを抑えながらも借方貸方の合計金額が合わず、最後の問題の『当期純利益』なのか『当期純損失』なのかも回答できない状態で、第2問へ移りました。

ここでも私が苦手としている勘定記入及び商品有高帳の穴埋め問題がありました。これもまた、問題量が多く、特に勘定記入はとても難しかったと感じました。

その後確実に点が取れる仕訳問題の見直しを終え、最後10分、また第3問へ戻りました。相変わらず合計金額を出すことができず、それでも確実に取れる箇所を逃すまいと見直しをしました。そして残り1分40秒のところで、0の単位を間違えている箇所を発見してしまいました。

「最後まであきらめるな」と自分に言い聞かせつつも、すでに電卓を叩き直す時間もなく試験終了となりました。

「ダメだったな」とあきらめが入りつつ、試験終了のボタンをクリックすると、心の準備ができていないまま、画面には『合格証発行』の文字が現れました。一機に気が抜けてしまいました。得点は今まで練習してきた模試試験でも 取ったことのない最低点でした。

ギリギリの合格でなんだかとても後味が悪かったのですが、それでも合格できたことへの喜びは勝ります。その後試験結果のボタンをクリックし、教室を退室しました。プリントアウトした試験結果を受付で受取り、「お疲れ様でした」との受付嬢の挨拶とともに、私の初めての日商簿記3級ネット試験は終了致しました。

ご精読ありがとうございました。

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