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学ぶ際に考えておきたい簿記と会計違い

2024/01/06

ビジネス

学ぶ際に考えておきたい簿記と会計違い

 簿記と会計は、よく似たように使われる言葉で同じじゃないの?

と思う方も多いでしょう。しかし、簿記と会計は異なるもので、これから簿記や会計を学ぶ上では、特にその違いをよく知っておくことが大切になります。今回は、改めて簿記と会計の違いについて解説していくので、ぜひ最後まで読んでくださいね!

1.簿記とは

「簿記」という文字が表すように、帳簿に付けること自体を意味しています。すなわち、簿記とは、日々の企業の取引を金額に変換し、帳簿に記入・記録することを言います。

会計上の取引を全て簿記に付けることによって、最終的に財務諸表と呼ばれる経営状況を判断できるものを作ることができます。そして、財務諸表を作るための記帳の方法を学ぶのが簿記です。

≪財務諸表例≫

会社の状況を報告するために作成される数種類の書類の総称が財務諸表で、中でも重要なものとして貸借対照表や損益計算書があります。

貸借対照表は会社の財産を示す表になり、英語ではバランスシートと呼ばれます。一方、損益計算書は会社の経営成績を示す表で、英語ではプロフィット・アンド・ロス・ステートメントと呼ばれます。

2.会計とは

会計とは、簿記で記載された帳簿によって作られた財務諸表などを”報告”することをいいます。すなわち、相手となる誰かに報告するのが会計という仕事なので、財務状況、経営状況を相手に”報告”することが最終目的となります。

会計の主な目的は、以下の2つが挙げられます。

①経営者が会社経営や事業に関する意思決定に役立つ情報を提供すること

②外部の投資家や債権者が株式などの購入や投資をするうえで判断基準となる情報を提供すること

特に外部の投資家や債権者には、投資や融資を行っている企業もしくは検討している企業について、実際の経営成績や財務状況などの情報を知ることは難しいと言えます。

 企業は、社内外の利害関係者に対して説明責任を果たすために、経営成績や財務状況を定量的に記録した財務諸表を作成し、正しい情報を報告する必要があります。

(1)「制度会計」とは

会計には、「制度会計」と「管理会計」があります。どこに報告するのかによって、会計は2つに分かれるのが特徴と言えます。

『制度会計』とは、株主や銀行、税務署などに提出する決算書を作成するための会計制度のことです。つまり、経営者が毎年、決算のときに目にする貸借対照表や損益計算書は、制度会計によって作成されています。そして、制度会計のメインの目的は、会社の1年間の業績結果や財政の状態を外部の第三者に報告することにあります。

さらに、「制度会計」では、「財務会計」と「税務会計」があります。「財務会計」とは、会社法、金融商品取引法に基づき、決算書を作成するための会計を言います。いずれも、”投資家”に対して、会社の経済的な状況をあらわすことを目的としています。

一方、「税務会計」とは、法人税法などの税法に基づいて、”税務申告”を主目的として、税法へ準拠することを最優先とする会計をいいます。税法に従って処理される会計処理には、財務会計的には認められない処理も多く、まずは財務会計にしたがって決算書を作成し、その後修正作業を行いながら、税務申告書を作成します。

ただし、これらの作業は面倒であることも多く、最初から税法を最優先して決算書作成を行うのが一般的です。このように税法を最優先して決算書を作成する手続きが「税務会計」ということになります。

(2)「管理会計」とは

「管理会計」とは、会社の経営状況を内部で見て、分析するための自社報告のために使われます。こちらは、決められた制度はなく、会社独自のルールで作ることができます。この管理会計は、「予算管理」や「原価管理」などで構成されており、各々の内容も併せて確認しておきましょう。

① 予算管理とは

予算管理とは、来年度あるいは中長期的な期間で、予算を管理しながら経営に活かしていくための仕組みのことを言います。

よって会社を経営していくために必要な資源(人材、物資、資金など)をどのくらい調達すればいいかを把握することができます。予算と実績を管理することで、予算に対する達成度合いを確認して、より良い方針・行動を考えていきます。

② 原価管理とは

原価管理は、製造業を中心に導入され、原材料費・人件費・設備費といった原価をあらかじめ把握することでコストを「見える化」します。

原価管理を行うには、まず、1つの商品を作るのにいくら原価をかけるのかといった目標となる標準値を設定します。その後で、実際にかかった原価と目標の差を把握しながら、適正な原価を探っていくことになります。

会社にとって、これらの「財務会計」、「税務会計」と言った「制度会計」や「管理会計」は、とても重要なものです。なぜなら、会計をしっかりしていなければ、会社経営自体成り立っていかないからです。大事な株主に報告したり、税務処理をしたり、会社経営を考える上でのなくてはならない会計と言えます。

3.簿記と会計を学ぶ時の違いとは

これまで、簿記と会計の違いについてお話してきましたが、これらを学ぶ時の違いについても考えてみていきましょう。

端的に説明すれば、会計は正しい財務諸表は何かということを学ぶ学問です。そして、簿記は、正しい財務諸表を作成するための技術・手続きを学ぶ学問なのです。

これらは別の概念ですが、“正しい財務諸表の作成方法を学ぶのが簿記”ということは、“正しい財務諸表”という概念なくして“簿記”とは言えません。そのため、会計あっての簿記であるなら、学習は会計が先で簿記が後という順番になると考えられます。

しかし、通常はまず簿記から勉強する人が大半です。その理由は、会計の考え方を理解するためには、簿記を学習し財務諸表のイメージをつける必要があるからと言えます。

簿記を学ぶにあたって、初学者は日商簿記3級から始めてみるのをおすすめします。

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簿記の説明からも分かるように簿記は、“帳簿を付けること”を学ぶものです。学ぶ内容を具体的に挙げると、毎回の取引を帳簿に付けるための記録の方法である仕訳の方法について学びます。そして、勘定科目の分け方や仕訳の決まりなどを学ぶことになります。

また、付けた帳簿を元に計算する方法や財務諸表を作成する方法についても学び、帳簿を付けて財務諸表を作るまでが簿記の仕事となります。

簿記をきちんと学んでいないと、財務諸表は作れないですし、財務諸表を最終的に作れた喜びや達成感も感じることができないでしょう。そして、簿記を身に着けた後に、会計理論や財務諸表分析を学習することで会計を体系的に学ぶことができます。

これまで、簿記と会計の違いや学び方についてお話してきました。今後、経理職に就きたい方や資格取得を考えている方は違いを理解した上で臨んでくださいね!

弊社では無料の経理セミナーや経理職への転職支援をしているので、お気軽にご相談ください!

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