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簿記2級の難易度と合格率は?勉強時間の目安や合格率、メリットについて

2023/07/11

資格情報

簿記2級の難易度と合格率は?勉強時間の目安や合格率、メリットについて

1.難易度と推移

簿記2級はさまざまな財務処理ができるため、サービス業や販売会社はもちろん、個人経営としても大変便利に使えます。

その分、勉強時間や量は多く、簿記3級と比べると難易度も上がります。

日商簿記2級の合格率は、過去の平均を見てみると約20%程度となっています。

日商簿記3級の合格率が約40%~50%なので、比較すると2級になると3級よりも難易度がさらに上がっていることが分かりますね。

実際に簿記2級合格率を見てみましょう。

【簿記2級の合格率】

日本商工会議所のホームページに記載してある過去10回分の合格率を見てみましょう。

163回 24.8%

162回 20.9%

161回 26.9%

160回 17.5%

159回 30.6%

158回 24.0%

157回 8.6%

156回 18.2%

154回 28.6%

153回 27.1%

【簿記3級】

第163回 36.5%

第162回 30.2%

第161回 45.8%

第160回 50.9%

第159回 27.1%

第158回 28.9%

第157回 67.2%

第156回 47.4%

第155回 中止

第154回 49.1%

第153回 43.1%

このように難易度が跳ね上がっているのが顕著に見て取れますが、ここで考えて欲しくないのは「合格率が低いから自分には無理なんじゃないか」と考えることです。

簿記2級は簿記3級と同じく相対評価ではなく絶対評価なので、誰かと争うのではなく、あなた自身があなた自身と戦いです。勉強方法を抑えるだけで、もっと気楽に楽しく考えることができます。

では「どう勉強するべきか」についてですが、合格基準は70点以上です。合格基準が決まっているので、合格率の変動は問題の難易度に左右されます。また、2020年12月からネットでの試験が開始されており、ネット試験の合格率は、35~50%の間で推移しているので、紙での試験よりも合格率が高くなっています。

これを考慮して、一度で合格することを目標にするのではなく、何度か受験したり、受験の方式を変えるなどして、チャレンジしてみるのも良いでしょう。

2.簿記2級が難しい理由

(1)記述式解答

日商簿記2級を難しいと感じる理由の一つとして、記述式解答がある点だといえます。

2級試験は計算量が多いこともあり、記述式で解答するのに時間が非常にかかります。

マークシート方式だったなら、例えば4択問題をとりあえず解答すれば、正答率は25%ですが、記述式であれば分からない問題は必ず点数を取ることができません。

そのために勘定科目を正しく理解し、計算を早く行う記述式の解答対策を繰り返して行う必要があります。

(2)工業簿記の問題が難しい

3級にはなかった、2級から学ぶ工業簿記は、慣れるまで時間がかかる問題です。

工業簿記は商業簿記と違って、製品を作る過程での材料費や労務費などの費用を計算する「原価計算」が重要なポイントとなります。

「原価計算」は、数学的な思考が必要とされ、人によっては苦手意識を感じる方が多い内容です。

(3)以前の簿記1級の内容が追加された

簿記2級の試験内容は、現代の会計実務に即した内容にするために2020年に大幅な改定がありました。

これにより、いままでは簿記1級の内容だった複雑な計算が2級の範囲に追加され、出題範囲が以前よりも広くなったことが挙げられます。

そのためにさらに難易度の高い試験となったことで、合格率が低くなったといえます。

具体的に1級の範囲であった下記の分野が、 2016年から3年間にわたって、2級の範囲に追加されました。

【追加された分野】

・リース取引

・外貨建取引

・その他有価証券の処理

・税効果会計

・本支店会計

・連結会計

・連結会計アップストリーム

試験範囲の改定によって覚えるべき項目が追加されたことで2級の難易度が上がり、この中でも、リース取引、外貨建取引、連結会計の3つは特に難しい内容のため、受験者は徹底的に対策を行う必要があるので、頑張りましょう!

(4)過去問以外も出題される

資格試験の勉強方法は、過去問を解くのが王道の合格パターンですが、日商簿記2級は過去問ばかりやるだけでは対応しきれません。

特に精算表の作成などは、過去問だけでは対応できない問題が出題される可能性が高いため、注意が必要な範囲です。このような問題は、簿記の根本を理解して臨まなければ解くことができない問題です。

簿記の根本となる考え方をきちんと理解し、対策することで初見問題にも当日対応できるようになるので、きちんと初歩を忘れずに勉強しましょう。

3.簿記2級合格のための対策

(1)簿記3級の内容を完ぺきに身につける

簿記2級の内容をきちんと理解するためには、まず簿記3級の内容を完ぺきに身につける必要があるといえるでしょう。

簿記3級の内容が完ぺきに身についているかどうかは、具体的には簿記3級の過去問(本試験問題)を40分で95点とることができるかどうか、で判断できます。

もし解いてみて、時間が間に合わなかったり、点数が足りなかったりした場合には簿記の理解が不足しているか、練習量が不足しているといえるでしょう。

間違えた理解できていない問題を確認して復習するなど、もう一度問題集や過去問を繰り返し解くなどして、95点が取れるまで修練を繰り返してください。

(2)過去問の問題練習以外にも目を向ける

これは、誤解しないで頂きたいのですが、過去問練習は非常に大切で、過去問練習をすべきでないという意味ではありません。

過去問の練習は簿記の実力をつけるために取り組むのではく、試験本番で簿記の実力をきちんと発揮するために過去問練を解くのだということです。

過去問の練習では簿記の実力はつかないので、問題暗記ではなく、一つ一つの定義基礎をしっかり理解しましょう。この実力がない状態で過去問練習を繰り返しても、そもそも発揮する実力がないので合格できないです。また、過去問で合格点を取ることができれば合格できるという考え方には注意しましょう。

過去問は「過去に出題された問題」なのめ、過去に出された問題で合格点が取れるということは、これからの試験問題ではないですし、合格とイコールではないです。

実際には過去問題と全く同じ問題が出ることはなく、今までになかった問題も出題されるので、過去問にかたよった勉強ではなかなか実力がつかないので、合格も難しくなってしまいます。目安ですが、第1問の仕訳問題が安定して16点以上取れないのであれば、過去問の練習を重視しすぎている可能性が高いと言えるでしょう。

過去問だけをとくのではなく、予想問題集なども駆使ししながら勉強すると良いでしょう。

4.さいごに

これまで、簿記2級の難易度について解説してきました。 簿記2級は、簿記3級と比べるとさらに難易度が高くなりますが、それだけ汎用性が高い資格とも言えます。

これさえ取っておけば、経理・会計職だけではなく、様々なビジネスシーンで活用することができるでしょう。

また、簿記2級で得た知識は、下記のような資格取得の基本となるので、更なるスキルアップのベースも出来ます。

・税理士

・公認会計士

・建設業経理士2級

・社労士 などなど

簿記2級を取得するだけで、その先の選択肢が広くなります。 キャリアアップ・スキルアップの第一歩として、簿記2級の合格を目指してみてください!

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