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建設業経理士2級を取得したこと

2024/01/22

資格情報

建設業経理士2級を取得したこと

建設業経理士検定とは

建設業経理士検定は 4級~1級まであり、正確には3・4級が「建設業経理事務士」1・2級が「建設業経理士」です。 

 公共事業の入札に関わる経営審査事項(経審)で、1級と2級の資格保有者の人数で評価点数が加算されます。 市や県の入札参加資格を持っている総合建設業・土木・設備会社、工務店などでは必要な資格と言えます。

評価の対象となる1級と2級の資格有効期限は5年、令和5年4月から登録経理試験合格者(1級および2級建設業経理士)の継続教育を目的とした新たな制度「登録経理講習」を受講することで経営事項審査の評価対象となり、 5年ごとの受講で更新される制度です。

  2級の過去3回の合格率はこのようになります。

第31回(令和4年9月実施)受験者数  8,847人  合格者数  2,993人  合格率 33.8%

第32回(令和5年3月実施)    〃        9,636人      〃    3,411人    〃    35.4%

第33回(令和5年9月実施)    〃        8,985人      〃    3,796人    〃    42.2%

 ( 一般財団法人建設業振興基金 建設業経理検定HPより  https://www.keiri-kentei.jp/ )

 この資格は受験資格の制限がなく、誰でも受けられます。年に2回試験があり、2級の合格点は70点以上。合格率は毎回3割~4割。段違いに難関の1級は合格率が2割程度。 比べると2級はかなり取りやすい資格です。

 これから試験を取得しようと考えている方、難しいんじゃないかと思っている方、私が受かったので難しくはありません。毎日少しずつでちゃんと一発合格できます。

2級を取得した理由

 私は3年ほど前に転職をし、それに伴い昨年9月に建設業経理士2級を取得しました。 

現在の職場は建設業。入社後に建設業経理士の資格を取得するよう指示を受け、ようやく取得するに至りました。 それまではこの資格の名前さえ知りませんでした。

お恥ずかしい限りですが、私は2回目の試験でやっと取得できました。1発合格できなかったのは単純に自分の認識の甘さと勉強不足。今となってはいい経験ですが、その時はかなり落ち込みました。  不合格に只々恥ずかしく、会社に顔向けできない気持ちでいっぱいでした。勉強の方法を自分に合ったものに変えないとまた同じことになる、それは絶対嫌だ― ! と思い、2回目を受ける時は勉強方法を見直す所から始めました。

  私の簿記の知識は、以前の職場で重ねた「実務経験」のみでした。 経理の上司はいましたが、税理士との契約はなく、年1度の決算時に要点だけの指導を仰ぐといった形でした。自分のレベルを自覚して勉強を進めていたら、こんなに時間はかからなかったのではないかと、そこだけは後悔しています。

自分に合った方法で

1度目は、過去問の問題集だけを1冊 購入し、それを繰り返し解いていくという方法で勉強をしていました。 これで合格できた方も沢山いらっしゃると思いますが、知識の浅い私はこの方法では単に 試験問題の丸暗記になってしまい、ただ詰め込んだだけで実際の中身を理解できていなかったことにテストを受けてみてようやく気づきました。

なので、2度目の試験は、最初の2ケ月をTAC出版の建設業経理士2級のテキストを1冊を頭に入れる勉強をし、残りの2ケ月を並行して同じTAC出版の過去問題集を繰り返し解いていく、という方法をとりました。

  勉強時間は 平日は夕方から2~3時間、週末は朝8時からお昼までとし、一日の時間を決めて無駄にダラダラ続けないように心掛けました。

転職して日も浅く仕事の引継ぎなどに神経を使っていた時期でもあったので、普段の仕事に差し障らないよう、疲れた時は無理をせずに早く休むようにしました。

過去問を解いて、わからなかった所をテキストで理解する、再度過去問を解く、という方法で中身を正確に覚える事ができて、正解率も徐々に上がっていくのが楽しくなっていきました。

テキストでインプットしたものを過去問で毎日アウトプットしていく方法で、最初は試験時間の2時間過ぎても半分もできなかった問題が、2度目の勉強方法を変えてからは少しずつできるようになり、試験間近には 半分の1時間ほどで解答できるようになっていきました。

抑えるポイント

 試験の問題は全部で5問です。

試験時間は2時間。1問から5問までの配点は、第1問の仕分問題が20点、第2問の推定問題 ・ 個別の計算問題が12点、第3問の原価計算 ( 部門別・間接費 )の問題が14点、第4問の原価計算 ( 理論・明細表 )の問題が24点、第5問の精算表が30点となります。 

私は配点の大きい第1問の仕訳問題と、手間のかかる第5問の精算表を最初に解いてから残りの問題を解きました。 勉強の時からその順番で解いていたので本番でも気持ちに余裕をもって試験を受けることができました。

  建設業独特の勘定科目がありますが、変換すれば簿記と同じです。

「未成工事支出金」は       仕掛品

「工事未払金」は            買掛金

 「完成工事未収入金」は  売掛金

「未成工事受入金」は     前受金  

  基本は 勘定科目の仕訳が正しく身についているかどうかです。 

他の資格もそうだと思いますが、試験問題は 過去問の繰り返しです。 毎年どこかしら少し違っていてもベースは同じ。

2回ともテキストにも過去問にも載っていない仕訳問題が出てきて最初は焦りましたが、表記されている勘定科目を選び、正しく左右に置いて計算を間違えなければ大体解けます。 

仕訳さえ身についていれば書けるところはあります。その為には仕訳問題を基本にテキストと過去問の繰り返しが大事です。

一番配点の多い第5問目の精算表は仕訳をして計算した答えを最後に書くべき所を間違えずに書けば大丈夫です。

勉強中は精算表に目が慣れずに、1段下に書き間違えることが時々ありましたが仕訳が多くある程度時間がかかる為、先に取り掛かると残りの時間を有効に使える筈です。

先に簿記2級を勉強する・取得する

合格してから教えてもらったのですが、簿記2級と建設業経理士2級の内容は簿記2級の方が難しいものの、簿記の基本はほぼ同じなので、取得までの期間に余裕がある方であれば、最初簿記2級を取得しその後建設業経理士2級の試験を受けるといいようです。 

その他の対策として

   これは私に限ったことなのかも知れませんが、どちらかといえば私はとても「緊張しい」で、 1度目の試験開始直後、大人数の中一斉に響きわたる電卓の音にびっくりしてしまい、ただでさえ勉強不足な上にさらに緊張し、開始直後は全く集中することができませんでした。

あの響きわたる電卓の音、また上がってしまったら…と考えていた時に、ネットで同じ試験で、同じように電卓の音を少しでも回避するため、片方だけ耳栓を使って試験を受けてうまくいった、という方がいらっしゃいました。

 とにかく合格するためにはマネしてみようと思い、私も2回目の試験の時には片方だけに耳栓をしてうまく集中して試験を受けることができました。

まとめ

2回目の試験の時もわかりにくい問題が出てきましたが、時間いっぱい粘ってみようと開き直って向かうことができたので、試験に合格することができました。勉強した分だけ自然と自信になったのだと思います。

 テキストや過去問題集、ネットスクールでも自分にあった方法でコツコツ向かっていけば、建設業経理士2級は取得できます。

企業によっては資格手当の対象にもなりますし、何より勉強した分だけ確実に自分の自信に繋がります。

私の場合は会社に言われて取得した資格です。一度試験は落ちましたが、逃げずに二回目を受けてなんとか合格できました。いい経験ができて良かったと感じています。他の誰かに少しでも私の経験が参考になればと思います。

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