find your job COLUMN

とんがりコラム

CATEGORY
ARCHIVE

簿記3級の難易度と合格率は?勉強時間の目安や合格率、メリットについて

2023/07/11

資格情報

簿記3級の難易度と合格率は?勉強時間の目安や合格率、メリットについて

1.簿記3級について

簿記3級は商業簿記が3題程度出題される試験時間60分の検定試験で、70%以上の正解率で合格となる試験です。

出題の区分は、簿記の基本原理、諸取引の処理、株式会社会計、決算になります。

簿記3級は基本的な商業簿記を理解し、小規模な企業における企業活動や会計実務、経理関連処理を適切に行える程度のレベルが求められます。

2019年度から出題の前提が個人商店から小規模の株式会社に改められ、現在のビジネス社会に対応する実践的な内容となりました。

3級試験は、100点満点中70点以上が取れるかどうかという絶対評価の試験となります。そのため、合格率が変動する可能性があります。

2019年の試験の内容変更により、出題問題に変化がありました。簿記3級の合格率が以前は、50%前後と受験者のうち2人に1人程度が合格する試験でしたが、変更後の現在は30%〜40%前後の合格率で推移しています。

過去10回の合格率は下記のとおりです。

第163回 36.5%

第162回 30.2%

第161回 45.8%

第160回 50.9%

第159回 27.1%

第158回 28.9%

第157回 67.2%

第156回 47.4%

第155回 中止

第154回 49.1%

第153回 43.1%

 ※参照:3級受験者データ|日本商工会議所

試験制度変更後は、合格率が昔よりも低くなっており、新しい試験制度に対応した勉強方法が必要になっていると言えるでしょう。

 ただし、簿記試験は資格試験の中でも、税理士試験のような試験のようにめちゃくちゃ難関資格というわけではなく、簡単すぎるレベルではありませんが、ちゃんと対策すればどんな人でも合格できる試験です。

2.簿記3級が難しいと感じる理由

(1)複式簿記に慣れていない

簿記は一般的な家計簿とは違い、収入と支出、両方を同時に記録できるように2面的に記録します。

その基本の仕訳は、借方と貸方で区切り、2面的にお金の流れを記録していきます。

(2)繰り返し練習する必要があるから

仕訳になれるまでは、勘定科目を暗記できる位、くり返し仕訳の練習をする必要があります。

繰り返し練習することで、雑損や雑益、減価償却費などの普段使わないような専門用語も自然と覚えることができます。

(3)受かりにくくなった

 かつて、簿記3級は頭を使わなくても合格できる試験と言われていましたが、現在ではその頃の面影は消えたしっかり?とした資格試験に変貌を遂げています。前述したように簿記試験そのものの難易度が上がり、実務を重視した内容に変更されたことによって、合格しづらく受かりにくくなりました。簿記3級は、読解力や理解力だけでなく、応用力まで求められるようになっています。

 1つ1つの問題自体は、解けない難問はないですが、軽く学習しただけでは、受からない問題となっているので、軽く考えずにきちんと勉強する必要するようにしてください。

(4)読解力が求められる

 簡単な試験と言えなくなった理由として、例えば1問目の仕訳問題を上げることができます。以前は、本当に基礎・基本的な仕訳問題が出されていました。例えば、通常の減価償却の仕訳などがありました。シンプルな仕訳なので、過去問を一通り見れば簡単に得点を取ることができていたました。

 ですが、近年の仕訳問題は、正しくに問題文が読み取ることができないと、誤った解答をする問題が増加傾向にあり、あの頃より格段に頭を使う問題がたくさんです。

 例えば、普通の事業者が車を買えば、「車両」になりますが、中古車販売業者が車を買えば「仕入」になるなど、問題文で取引の主体となる事業が読み取れていないと間違った仕訳を切ってしまうのです。焦ったり、読み落としたりするだけで、点数を失ってしまいます。

他の問題でも問題文と一緒に資料を正しく読ませる問題も増えているので、さらに読解力が必要になっていると言えます。

 ただ単に仕訳さえ暗記していれば点が取れたのは、もう昔の話なので、日々の試験勉強時から焦らず正確に問題文や資料を読み解く練習を積んでおかないと本番で泣きを見ることになるでしょ。

(5)理解力も必要

 以前の簿記3級は、超定番・超頻出の問題ばかりが出題されていたので、問題の各重要パターンさえ覚えていれば、合格していました。しかし、いまは取引背景や前提を把握し理解しているかや簿記の一連の流れを知っているか、仕訳の意味と目的が分かっているかなどといった所が重視された問題なので、格段に理解力が必要とされています。

 この点においても仕訳処理を暗記しておけば解ける問題は、毎試験で影をひそめており、どこか少しひねりのある問題が多くなっています。

 例えば、修正仕訳の問題で、貸借逆に記帳していた場合のように、誤った仕訳の確定をする→逆仕訳でゼロにする→正しい仕訳をする→これらすべてを合わせて修正仕訳とする、といったようにこれまでに比べて、ひとひねり、ふたひねりされた問題が出されています。

 テキストの説明を軽く流して、暗記するのではなく、どうしてそうなるのか?と言った根本の理解をするように常勉強しないと、本番試験で戸惑ってしまいます。

(6)応用力が求められる

 ここまで、読解力と理解力が必要と話しましたが、加えて知っておくべきことは、簿記3級においても、毎試験ごとに今まで見たことのない新しい論点や問題が出題されるようになったという点です。

 例えば、3問目では以前は、ほぼ毎回精算表の作成問題が出題されていましたが、最近は、財務諸表の作成が出題されるなど簡単に解けない問題が出題されるので、本番の試験で相当手を焼くような問題になっています。新しい論点や問題は、簿記3級の基本・基礎である仕訳・転記・集計を踏まえた上で、出題されています。

 代表的なものとして、各自推定が挙げられます。例えば、この勘定科目の勘定がこういう集計になっているなら、数字はこうなるでしょうといったような頭を使う問題を出してきます。他にも簿記の一連の流れが理解できているなら、このように仕訳を切らないといけないような推定が入った出題も増えており、やっぱり簡単に解けない問題になっています。 

3.近年の傾向

(1)出題範囲が変わった

近年は、税に関する問題も追加されました。今までは、簿記2級の範囲だった法人税や消費税といった税金に関する問題が3級へ追加されました。

3級の段階では深い問題ではないので、ものすごく意識する必要はないのです。

しかし、税については法律にも関連する内容なので、人によっては苦手意識を持たれる方もいると思います。そのために難しいと感じてしまう受験者が増えたといえるでしょう。

(2)有価証券に関する処理がなくなった

簿記3級には追加された内容だけではなく、2級や1級へと移動された内容もあります。

その中の一つが、有価証券と呼ばれるものです。

この有価証券に関する内容は、洗い替え法や切り離し法等など手法によって仕訳が異なってくるので、ややこしくてこんがらがる内容です。

さらにそこに月割計算や利息計算も入ってくるので、この内容にも苦手意識を持っている方は多くいましたが、今後はこちらの問題は3級では出題されなくなったという点は安心でよね。

3.簿記3級対策方法

(1)通信講座を使う

だいたい3万円から5万円くらいの料金はかかってしまいますが、手軽で無駄なく効率良く勉強できるメリットがあります。

また、企業として合格率アップのために通信講座は常に近年の傾向を掴んでいます。

そのため、最新の情報を得られる強みもあります。

(2)問題集を解きまくって慣れる

簿記は理解することがとても大事だと前述しましたが、問題の演習を通じて慣れて身に付ける必要もあります。

問題は複数回繰り返し解くようにしましょう。何度も問題集を解くことにより、自分の苦手な部分や時間調整などが見えてくるはずです。

それに加えて、出題の意図も回数を重ねることで汲み取れるようになってきます。

図形、図式問題は特に慣れが必要となるので念入りに問題を解くようにしてください。

間違えた部分は一度テキストに戻って、どうしてそうなるのかを必ず確認するようにしましょう。

(3)余裕のあるスケジュールを立てる

学生であれば学内の勉強や就活、社会人であれば残業や激務、子育て、家族の行事などが日々のやるべきことに追われます。

詰め込みすぎたスケジュールで受験しようとすると体調やメンタルを崩しやすくなり挫折してしまいます。

3-6ヶ月は余裕を持ったスケジュール管理で、勉強に取り組むようにしましょう!

コラム一覧へ戻る

  • 企業担当者様へ
  • 友だち追加