経理に転職するならまずは日商簿記検定が必須となります。
日商簿記検定3級→日商簿記検定2級→転職活動が多くの転職希望者のスタイルであると思いますが、他の資格やスキルについて触れていきたいと思います。
目次
経理業務に必要なスキルとは?
すでに経理職に配属が決まっているならば日商簿記3級、これから転職活動をするならば日商簿記2級が必須となります。
もちろん、経理職に配属が決まっている方でも日商簿記2級があるに越したことはないのですが実際に日商簿記検定2級の範囲である工業簿記に触れる機会はさほど多くありません。
ただし転職活動をする場合には日商簿記検定3級では意欲が伝わりずらいことも含めPR材料として日商簿記2級取得をお勧めします。
簿記の基本的な知識
簿記とは、企業が活動する上で発生するお金の取引を記録し、一定の期間ごとに決算を行い、報告書にまとめる作業のことを指します。
簿記を勉強していると様々な知識が得られ、経理職で活躍するだけでなく、経営者視点で経営の判断をしたりコスト管理も出来るようになります。
また、自社だけでなく、取引先の企業の経営状況なども決算書等から読み解くことも出来るようになり自社の経営を安定させることが出来ます。
Excelを始めとするパソコンソフトのスキル
経理では簿記の知識のほかにExcelのスキルを活かす機会が多く発生します。
会計システムで仕訳を登録したりするだけでなく、別の管理システムから数字を取り込むためのデータを作成したり経営者に提出する資料を作成するために使用します。
会計データへの入力速度だけでなく、いかに効率的に業務をこなせるようになるかはExcelスキルも関係してきます。
Excelでよく使用する機能はこのようなものがあります。
・フィルター:
・ピボットテーブル
・VLOOKUP
・SUM
・COUNT
などです。是非、各機能の特徴などを調べて使えるようにしてみてください。
面接でExcelスキルは?と聞かれた際にこの5つをパっと答えられれば問題なしです。
経理もコミュニケーションスキルが必要なの?
経理は電話も取らなくて人とも話さなくてOK、と言われることがたまにあります。
ただ、経理の仕事では経費精算の修正依頼、請求書未着の確認等、社内の方とのコミュニケーションが頻発します。
最近のコミュニケーションは対面だけでなく非対面もありますので、ChatworkやSlackなどのコミュニケーションツールで簡潔に交流する対応力も必要となります。特にコミュニケーションツールがないよ、という会社様は、コロナ禍以降、多くのコミュニケーションツールが出てきていますので自社にあったツールを提案するのも一つですね。
経理の面白さを知る
面白い…?!簿記を勉強していた時の素直な感想です。
就職活動のためにやや義務的に勉強していたせいなのか分かりませんが面白さを知ったのはつい最近です。入社して間もないころ、とんでもない試算表を作ったことがありました。
上司に指摘されてなぜこのスピードで分かる???と驚いた記憶があります。
数字は嘘をつかない、と言いますが数字は経営のすべてを表すものであると感じます。
ここを部分的に改善しただけで全体にこんなにも影響があるのか!
この改善は想像以上に難しいね…。
など数字を見ながら業務改善し、現場に落とし込んでいく。
経理だけではどうにもなりませんが、経理発信の会社改革は喜びに繋がるものではないでしょうか。
頑張っているのに評価されていない部署があるのでは?と思ったら売上との関連性を表現したり、経理にも出来ることはたくさんあります。
売上を生まなくても大切な存在のです。
初学者用:会計の基礎知識、取得方法
経理ではないけど会計の知識を入れておきたい。という方にもおすすめな勉強として、管理会計の習得があります。
YouTubeや市販の書籍などで勉強してみてください。特に、会社の“損益分岐点”を知ることは重要です。
もし会社の数字が公になっていない場合にはまずは自分の損益分岐点(給与・社会保険料・交通費(営業交通費含む)などと売上のバランス)をじっくり考えてみてください。
あれ…意外と貢献できてないかも?!と衝撃を受けるかもしれません。
資格取得をして会計の知識を深堀りする
未経験で経理に転職するなら必須となる日商簿記検定ですが、簿記では主に財務会計を習得することが出来ます。簿記3級であれば独学でも取得しやすい(私は無理でしたが…)資格となりますので、初学者でちょっと勉強してみたい?!という方にもおすすめです。
簿記には受験資格はありませんが、上級資格の税理士試験になると受験資格が必要なものもありますので、勉強前に必ず確認するようにしましょう。
税理士試験では税務を習得しますが、もう一つ上級資格に公認会計士試験というものがあります。
税理士試験は5つの科目を1科目ずつ取得することも出来る試験です。
公認会計士試験は「短答式試験」「論文式試験」の2つの試験に合格しなければなりません。
※論文式試験は短答式試験合格者のみ受験可能です。
短答式試験は財務会計論、管理会計論、監査論、企業法があります。
論文式試験は上記に追加して租税法、選択科目(経営学、経済学、民法、統計学の中から1科目)となります。平均合格率が9.6%(うち社会人の合格率は約4.5%)の試験です。
ご自身の学びたいことと深めていきたいスキル、キャリアパスをじっくりと考えて取得していくことをおすすめします。最近はYouTubeでも多くの配信がされているので独学+YouTube学習、専門学校社会人講座に通学・通信などライフワークとも相談してみてください。
さいごに
私は現在、転職支援のほかに、複数社の中小企業の経理・総務を担当しています。
苦しんでいる会社もあれば苦しみを乗り越え軌道に乗り始めた会社もあります。個人的には、経営の本などを読んでいると、どんな会社にも多かれ少なかれ苦しいときはあったのではないかと思っています。そんな時、経理担当者として我々には何が出来るのか…。
今回、一つだけお伝えしたいのは経理は楽しいことだけではない、ということです。他のポジションであれば見えないものがたくさん見えてくるポジションでもあります。経営が苦しくて退職していただくことになってしまう社員さんがいるかもしれません。“そんなことがあるかもしれない、それでも経理に就く”という覚悟も必要かな、と思っています。