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経理業務フロー完全ガイド:5ステップで効率化

2025/02/10

就職活動(就活・転職)

経理の仕事は、会社のお金の流れを正確に管理する大切な役割を担っています。

専門的な知識が求められる業務のため属人化が起きやすく、「全体の流れが見えにくい」「どこで問題が起きているか分かりづらい」といった課題が生じやすい傾向にあります。

こうした課題を解決するのが、経理業務フローという「見える化」の考え方です。

この記事では、経理業務の流れを整理して、効率的に進めるためのポイントを解説します。

経理業務フローの基礎知識

パソコン

経理業務フローとは、会社のお金の動きを管理する一連の作業の流れを図や表で表したもののことです。

売上や経費の記録、給与計算、税金の計算など、すべての経理関連作業が含まれ、例えば経費精算の場合であれば、

「領収書の受け取り→金額のチェック→システムへの入力→承認→支払い」

という流れを図で示します。

このように作業の順序や担当者を明確にすることで、誰が見ても分かりやすい形で業務を管理できます。

経理業務フロー図

経理業務フローの目的と重要性

業務フローを作成する最大の目的は、経理業務の「見える化」と「標準化」です。

経理の仕事は、ひとつのミスが大きな問題につながる可能性があります。

例えば、取引先への支払いが遅れると、信用を失うことになりかねません。

また、税金の計算ミスがあれば、後から大きな修正が必要になることもあります。

業務フローを作ることで、チェックポイントが明確になり、こうした事態を防げるでしょう。

また、担当者の不在時でも、他の人がフローに従って業務を進められるようになります。

とんがりコラボでは、経理の業務について基礎から詳しく学べる無料セミナーを行っています。

経験豊富な専門家が、経理未経験の方にも分かりやすくお話ししますので、経理の仕事に興味がある方はお気軽にご相談ください。

経理業務フローを取り入れるメリット

女性

経理業務フローを取り入れると、次のようなメリットがあります。

時間とコストの削減

業務フローを整理すると、思わぬ時間の無駄が見つかることがよくあります。

例えば、同じデータを複数のシステムに入力している、必要以上に承認ステップが多い、といった課題が明らかになります。

こうした無駄を見直すことで、作業時間を大幅に削減できるでしょう。

また、業務の流れが可視化されると、作業の停滞している部分も分かりやすくなるので、着手時期や順番を工夫すれば、待ち時間を減らすことも可能です。

時間が短縮できれば、人件費などのコストも同時に削減できます。

エラー発生のリスク低減

経理業務フローを作ることで、誰にでも分かりやすく業務の手順を共有できるので、ミスのリスクを大きく減らすことができます。

業務フローを確認すれば、新人でも「次は何をすればいいのか」「どこをチェックすべきか」が分かるでしょう。

例えば、請求書の処理では「金額の確認→システム入力→上司の承認」といった具合に、チェックポイントを設けることができます。

複数の担当者で業務を分担する際も、フローに沿って作業を進めていけば、抜け漏れを防ぐことが可能です。

また、定期的にフローを見直すことで「ここでよくミスが起きる」といった傾向を把握できるので、対策しやすくなります。

意思決定の質の向上

正確な経理データは、経営判断の重要な材料となります。

例えば、新規事業への投資を検討する際には、過去の収支データや現在の資金状況が判断材料になります。

また、採用計画を立てる際にも、これまでのデータをもとにした人件費の予測が必要不可欠です。

業務フローが整備され、求めるデータをいつでも正確に取り出せる状態であれば、より適切な判断が可能になり、意思決定のスピード・質ともに向上します。

ひいては、事業の成長へとつながります。

日次・月次・年次別の経理業務フロー作成手順

経理業務フローの作成手順を解説します。

経理業務フローの構成要素

業務フローを作成する際は、以下の3つの要素を明確にすることが大切です。

担当者:誰がその作業を行うのか

作業内容:具体的に何をするのか

時系列:作業の順番、いつまでに完了させる必要があるか

「誰が」「どの作業を」「どの時系列で」行うのかを明確にしていきます。

「担当者」の要素では、「経理担当」「上司」「経営層」というように、関係者ごとにレーンを分けて考えます。

「作業内容」は、「請求書の作成」「支払いの確認」「入力データの承認」など、できるだけ具体的に記載しましょう。

「時系列」は、「毎日の朝」「月末まで」「決算期の2週間前まで」など、時期を明確にすることで、計画的に業務を進められます。

これら3つの要素を組み込むことで、分かりやすい業務フローが完成します。

経理業務フローの作成の流れ

経理業務フローは、以下の流れで作成します。

  1. 1.目的を明確にする
  2. 2.業務内容を詳しく把握する
  3. 3.作業を細かく分解する
  4. 4.各工程のタスクを確認する
  5. 5.タスクを時系列で並べる
  6. 6.効率化できる部分を探す

特に大切なのは、業務全体を理解している人が中心となって作成することです。

現場の実情を把握していない人が作ると、現実的ではないフローになり、結局使われなくなってしてしまうという懸念があります。

また、完成後は実際に使ってみて、必要に応じて修正を加えていくこともポイントです。

日次の経理業務フロー

日次の経理業務では、会社のお金の動きを正確に記録するための作業を行います。

具体的には以下のような作業があります。

  • 現金や預金の入出金を確認・管理する
  • 取引内容を帳簿や伝票に記録する
  • 社員から提出された経費を精算する
  • すべての取引を仕訳として記録する

これらは、毎日積み重ねていくことで、月次・年次の業務につながる大切な作業です。

特に、帳簿や伝票は法律でも保管が義務付けられているため、しっかりと整理して保管しましょう。

月次の経理業務フロー

月次の経理業務には、1ヶ月分の取引をまとめる重要な作業があります。

月次業務の具体例は以下のとおりです。

  • 商品の在庫状況を確認する
  • 取引先との売掛金・買掛金を管理する
  • 従業員の給与を計算して支払う
  • 必要な領収書や請求書を発行する
  • 月次決算の処理を行う


月次決算では、「損益計算書」「貸借対照表」「キャッシュフロー計算書」などの重要な財務諸表を作成します。

こうした月次の業務は、毎日の作業と並行して進める必要があるので、計画的に進めることが大切です。

年次の経理業務フロー

年次の経理業務では、1年間の会計取引を締めくくる決算業務を行います。

この決算業務は、当期の利益や税金の計算に直結するため、経理業務の中で最も重要な位置づけとなっています。

具体的な作業例は以下のとおりです。

  • 決算書類を作成・確認する
  • 法人税など各種税金を計算・納付する
  • 従業員の年末調整を行う
  • 法定調書や支払調書を作成する


こうした業務には法律で定められた期限があり、すべての企業が必ず実施しなければいけません。

決算期には、通常の業務に加えて上記の作業が集中するので、年間スケジュールを立てて計画的に進めることが重要です。

経理業務フロー効率化の5ステップ

5ステップ

経理業務フローを効率化する方法を、5つのステップで紹介します。

ステップ1:業務詳細の分析

まずは現在の状況を詳しく分析することから始めます。

各担当者がどんな作業を、どのくらいの時間で行っているのかを把握していきます。

特に注目したいのが、作業にかかる時間や、よく発生するミスの内容、作業が遅れがちな工程などです。

また、担当者の負担が大きい作業がないかもチェックしましょう。

日々の業務で感じている課題や改善のアイデアが、思わぬところから見つかることもあるので、現場の担当者から直接話を聞くことが大切です。

ステップ2:プロセスの再設計

分析結果をもとに、より効率的な業務の流れを再設計していきます。

不要な作業や重複している作業がないか、作業の順番は最適か、承認プロセスは適切かなど、様々な視点で見直しましょう。

ただし、変更する際は法律や社内規則に反していないか、内部統制上の問題はないかなどを慎重に見極める必要があります。

また、効率化を急ぎすぎて、かえって現場の負担が増えてしまう、といった事態を起こさないようにも注意しなければなりません。

段階的に変更していくなど、新しい業務フローの導入方法もあわせて検討しましょう。

ステップ3:効率化タスクの特定

数ある業務の中から、自動化や簡略化できる作業を見つけ出していきます。

たとえば、データ入力や単純な計算作業、書類の作成や整理など、定型的なタスクは効率化の対象となりやすいでしょう。

ただし、金額の最終確認や法定書類の作成といった重要な作業については慎重に検討する必要があります。

効率化を進めることは大切ですが、正確なデータを導き出せなければ本末転倒です。

それぞれの作業の重要度を考慮しながら、最適な方法を選んでいきましょう。

ステップ4:ツール導入の検討

効率化できるタスクを見定めたら、システムやツールの導入を検討していきます。

会計ソフトや経費精算システム、請求書発行システムなど、経理業務を支援するツールは数多くあります。

導入を検討する際は、費用対効果や現在の業務との相性、他のシステムとの連携可能性などを確認し、自社のニーズに合ったものを導入しましょう。

新しいツールを導入する際は、決算期などの繁忙期を避け、従業員への研修や練習期間も含めたスケジュールを組むことがポイントです。

ステップ5:定期的な見直し

業務フローは作って終わりではなく、定期的な見直しと改善が必要です。

効率化の効果は出ているか、新たな課題は発生していないか、法律や制度の変更への対応は必要かなどを定期的にチェックします。

特に経理の分野では、法改正や新しい会計基準への対応が必要になることも多いため、常に最新の情報をキャッチアップし、業務フローを更新していく意識が大切です。

現場からの改善提案や他社の成功事例などもその都度参考にしながら、さらなる改善の可能性を探りましょう。

まとめ 未経験の経理転職ならとんがりコラボ

この記事では、経理業務フローの基礎知識から作成方法、効率化のポイントまでを紹介しました。

業務フローは、経理の仕事を正確に、効率良く進めるための大切な土台となります。

これから経理の仕事を始めたい方、より効率的な業務を目指したい方はぜひ参考にしてください。

とんがりコラボは、未経験からの経理転職に特化した転職エージェントです。

経理職に精通したアドバイザーが長期的なキャリア形成を考えたサポートから、面接対策、内定まで伴走します。

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